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京都発 「マカトンママクラブ」 のとりくみ

          らく相談室   山崎祥子

 マカトン法を用いて、子どもたちへの発達促進やコミュニケーションの力を伸ばすには、まず子どもを取り巻く周囲のおとなへの粘り強い働きかけが大切です。

おとなの意欲や学習が継続しないと、せっかく子どもがサインを使っても、お母さんが気づかないことがあります。
 また、子どもが模倣しないからと、サインを使わなくなっていくお母さんを見てきました。
 そこで、子どもたちへの指導とともに、あるいは子どもに先行して、一番身近な話し相手であるお母さんにもっとマカトン法やコミュニケーション・ことばの発達について理解してもらうような場が必要だと考えていました。

 そこで、始めたのが、「マカトンママクラブ」です。
「ママ」があるということは、指導者用の「マカトンリーダークラブ」があるのです。どちらも「継続は力なり」の精神で、皆で学び、考え、一人ぼっちではくじけるところを互いに支えあっていく集団活動の場です。

マカトン法の指導法にフォーマルとインフォーマルがあります。
お母さんにとっては子どもとともに受ける個別指導はフォーマル訓練でそこでは指導者が訓練してくれます。お母さんは、家庭で行うインフォーマル訓練の担い手です。
 そこで、生活や遊びの場面を想定したマカトン法への取り組みが必要となるわけで、それを皆で考えようと集まったのが「マカトンママクラブ」です。

 お母さんこそ一番身近な話し相手ですから、よりコミュニケーションを豊かにするには、母子がいかに訓練室以外でもサインを使い続けるかが問題です。子どもにとっても、覚えたサインやシンボルを生活場面で定着させるには、インフォーマル訓練がたいせつです。

 ところが、発達によっては、訓練中に子どもに学習させる語彙は少なく繰り返すほうがよいので、サインの数は急には増やせません。
 一方、家庭では、お母さんは生活に合わせた語彙を自由に使えるようになってほしいのです。まさに、1.2ステージは母子の間で交わされる基本的な語彙が豊富で、お母さんには子どもの発達段階にかかわりなく、早くから覚えてほしいと考えました。

ところで、今から10年前の京都では、まだまだマカトンは今ほど知られていませんでしたから、毎回20数名ものお母さんが集まれば、マカトンを使う人がこんなにいるのだ、という安心や励ましの効果も期待できました。集団指導ならではの効果ですね。

 さて、開業当時から4,5年は、「入門セミナー」、希望者に「マカトンクラブ」の紹介という順序でやっていました。

 ことばの発達が遅れている場合、どの子にとっても視覚手段の活用は言うまでもありません。そこで、話しことばの有無や年齢にかかわりなく、多くのお母さんにマカトン法を通して言語発達やコミュニケーション方法を学んでもらおうと、「入門セミナー」をうけてもらいました。

 内容は、月に1回、2時間のセミナーを3回シリーズで、ことばの発達についての勉強や、歌やゲームを用いてサイン1,2ステージを繰り返し指導しました。
 また、生活場面や遊びの場を想定し、ことばとともに指示する事や、家族、所属集団との調整、後にはシンボルの活用についてもお教えしました。

やがて、3回の入門セミナー終了後、継続して学びたいというお母さんが増えて、「マカトンママクラブ」が誕生したのです。

クラブでは、全員でサイン練習はしますが、ご自分の子どもに合わせてシンボルを用いた絵本作りや、コミュニケーションブック・カードなど、おしゃべりしながら手を動かす作業が楽しいようです。

マカトン法の指導を受けている子どもの中には、すぐには模倣が出なかったり、自発的使用があまりみられない場合が少なくありません。
 また、そういう子どもほどマカトン法を継続して使っていく必要があるのです。そんなときに、マカトンママクラブで悩みを打ち明け、互いに励まし助言しあうことは大きな力です。

 また、集団だからできるロールプレーイングやジェスチャ―ゲームは、ほかの人を見ることで、自分自身のコミュニケーション方法や態度を見直すよい機会になったようです。

 最近は、働くお母さんが増え、入門セミナーを年中することはなくなりました。しかし、マカトンクラブは、普段個別指導を受けているお母さんの学習や情報交換、教材作りの場として毎月1回2時間、行っています。

 卒業するママもいれば、新たに参加するママも次々と現れ、現在まで続いています。コミュニケーションは双方向、子どもにもおとなにも働きかけることを忘れないように、続けていきたいと思っています.。,



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