寄稿・英国研修報告

2020.11.30

寄稿

寄稿 「マカトンとの出会いに感謝」

旭出学園の卒業式での保護者挨拶

  僭越ながら、卒業生・修了生の保護者を代表いたしまして、一言お礼の言葉を述べさしていただきます。
  本日は心温まる卒業式を開いて頂きまして、誠にありがとうございました。
校長先生、諸先生ならびに来賓の皆様にも、心より御礼申し上げます。

  わが子は小学部から入学させて頂き、旭出学園には十五年間お世話になりました。入学した当初は、同級生もいなかったので、とても不安でしたが、その気持ちもすぐに解消してしまうほど、子供はすぐに学校生活に馴染んで、楽しく遊び、学ばせて頂くようになりました。入学する前までは、行事などは苦手で泣くこともしばしばでしたが、旭出学園に入学し、沢山の行事を繰り返し経験することで、むしろ行事好きになりました。

  息子は全く話せませんが、旭出学園でマカトンと出会い、初めて『やって』のサインを出せたときはとても感動しました。そして、お友達と『やって』『待って』というサインでコミュニケーションを取れたと、先生の方が何より喜んでご報告くださったこと、本当に忘れられない思い出です。けっして多くのサインを出せるわけではありませんが、マカトンサインで少しでもコミュニケーションを取ることができるようになったのは、マカトンと出会えた旭出学園、そしてご指導してくださった先生方のお陰だと感謝しております。

  とてもゆっくりとした成長しかできない息子にとって、一貫教育で時間をかけ、何度も繰り返し教えて頂けたことは、とっても良かったと思っております。先生方も、いろいろと工夫を重ねてご指導して下さいました。それでも親としては身辺自立の出来なさに悩むことはしばしばありました。先生方は、そんな時、出来ないことばかりを探すのではなく、出来ることを見つけ、そしてたくさんほめて育てるということを私に教えてくれました。その教えがあったからこそ、子供の自信を育て、なんでも楽しめる今の息子に成長できたのだと思います。

  息子は、先生方の心のこもったご指導と沢山のお友達の助けも借りながら、充実した学校生活を送らせて頂きました。その一方で、私自身も旭出学園で素晴らしい保護者の皆様との出会いがあり、時に互いに悩みを打ち明け合い、相談しながら歩んできた十五年間でした。この関係がなければ、ここまで頑張ることが出来なかったことと思います。改めて、お世話になったすべての方に感謝申し上げます。有難うございました。

  さて、本日こうして旭出学園を卒業していく子供たちですが、子供たちにとっては、これからの新しい環境は未知の世界であり、楽しみがある一方で支援を必要とする機会も多々出てくると思います。今後とも先生方には、親子共々相談に乗って頂きますよう、心よりお願い申し上げます。また、保護者の皆様にも、この旭出学園でのご縁をさらに深め、永きにわたるお付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。

  最後に、旭出学園のご発展とご臨席の皆様のご健勝とご活躍をお祈りいたしまして、私からのお礼の言葉とさせて頂きます。
  本日はまことにありがとうございました。

平成31年3月 
卒業生・修了生保護者 代表
高等部専攻科 保護者